英単語を覚えることに、多くの人が時間をかけます。単語帳を何周もして、アプリで毎日練習して、ある程度の語彙が身についた。それでも英語が出てこない。

この段階で詰まる人は多い。単語を覚えることがゴールになってしまっているからです。

単語を「知っている」と「使える」は別物

たとえば「apologize」という単語を知っているとします。「謝る」という意味だと分かる。でも、いざ「上司に謝らなければならない」という場面で、すぐに "I'd like to apologize for the delay." と口から出てくるかどうかは別の話です。

単語を覚える作業は「辞書に載っている言葉を頭に入れる」作業です。それだけでは、使える英語にはなりません。単語を実際の文脈の中で使う練習が、その次に必要になります。

単語の次にやること:文で覚え直す

単語を覚えたら、その単語を使った文を自分で作ってみる。これが最初のステップです。

「apologize」なら、「昨日の会議で遅刻したことを謝る文を作る」。日本語で場面を設定して、英語の文を書く。この一手間が、単語を文の中に定着させます。

ここで重要なのは、例文を読むのではなく、自分で作ることです。誰かが書いた例文を読んでも、変換の訓練にはなりません。自分の手を動かして初めて、回路が鍛えられます。

次のステップ:日本語から英語に変換する練習

文を作る練習の次は、日本語を見て英語に変換する練習です。これが英訳練習の本質です。

日本語の文を見て、英語にする。単語を知っているだけでは、この変換がうまくいかないことに気づくはずです。語順、動詞の形、冠詞の使い方、前置詞の選択。単語の知識だけでは解決できない問題が次々と現れます。

逆に言えば、英訳練習をすることで、自分の弱点が明確になります。どの単語は使えて、どの単語はまだ「知っているだけ」かが、はっきり見えてきます。

語彙と英訳は車の両輪

単語を覚えることと、英訳練習をすることは、どちらが先でも後でも構いません。むしろ同時に進めるのが理想的です。

英訳練習をしていると、知らない単語に気づく。その単語を覚える。次に同じような文が出てきたときに使える。このサイクルが、英語力を実用レベルに引き上げます。

単語帳を終わらせてから英訳練習を始める、という順番である必要はありません。今知っている単語で、英訳練習は今日から始められます。分からなければ答えを見ればいい。見て覚えて、次に自分で出す。それを繰り返すことが、単語を「使える」ものにしていきます。